雑然とした都市の路上。

そこを歩く者の耳目には、さまざまな音が、
映像が、匂いが、流れてゆく。

都市の雑多さを、個人の心に。
その心の表現を、一つのウェブに。
みる、きく、よむ、はなす、あるく―。

世界へと繋がる基礎的な動作を
もっと豊かにできたとき、

僕らは、もっと遠くへと向かえる。
必死に追うべき最新情報ではなく、

何度も観て、聴いて、
読みかえせる〈古典〉を。

それぞれが自分にとっての〈古典〉を
見つけられる場所を求めて。
新たに始めること、

わずかばかりのもので遣り繰りすること、
そのわずかばかりのものから拵えあげること、

そしてその際に、
右や左をキョロキョロ見ないこと。
―ヴァルター・ベンヤミン
わたくしは 
あしたから灰をかぶって街の廣場に座り、

おまへとみんなにわびようと思ふ。
あのうつくしい歌を歌った 
尊ぶべきわが師の龍よ。

おまへはわたしを許すだらうか。
―宮沢賢治
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